建築家と造る木の住まい
田村建築設計工房ブログ
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田村建築設計工房

Author:田村建築設計工房
群馬県渋川市の建築設計事務所です。自然素材を用い、想い出に残る家づくりを目指しています。
HP:http://www12.plala.or.jp/tam-kobo/

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居間・厨房・食堂
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建て主さんの設計の希望要望の中に「もてなし・大人の空間」が好きとありました。
設計を進めていく上で、色々な事の中から選択する必要があります。
多くの物や事の中から、また二つの内どちらかを選ぶ必要がある場合、何か基本になる核があると迷わないで進めます。

空間や材質・質感など全体物のから、扉の取っ手など小さな部分まで選択する時に「大人の空間」を意識して決めました。
現在便利な物や性能が良いと宣伝されている物よりも、シンプルさやデザインの良さを選択の物差しとしました。
今便利な物や一見性能が良い物は時がたてば変わってきます。
生活も変わってきますし、新しいものがどんどん出てきます。
その時便利で性能の良いものが直ぐに古くなってきます。

デザインの優れたものは長く使っても飽きが来ません。
また、気に入った物と空間に囲まれて生活するのは心が安らぎます。

家づくりは選択の連続です。
迷った時デザインの良さ、カッコ良さを基準にして選んだ物・事・空間は、いつまでもその良さが続きます。

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居間にくつろいでいる時、厨房方向を見てもせわしなさや乱雑さを感じさせません。
同じ空間にありながら居間の延長でありくつろぐ場所に思われます。

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ダイニングテーブルから居間・厨房方向です。
家事の合間や食事の後に、ここでお茶をする。ゆっくりした時が流れる場所になりそうです。

今日で「金山の家」の設計から竣工までの話を終わりにします。
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クローゼット・収納室
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2階には8畳寝室の他、3畳のホールと6畳に押入れが付いたクローゼット兼収納室が有ります。
クローゼットをどこに配置するかは建て主さんの考え方によります。
日常の動線や使い勝手を優先して、1階脱衣室の近くに配置する場合や玄関から脱衣室までの間に配置する場合が多くあります。

金山の家の建て主さんは、衣類に生活の匂いが付くことを避けたいと言う希望から、区切られた2階の1室をクローゼットとしました。
衣類収納は可動式のハンガーパイプや可動収納棚で対応します。
フレキシブルに対応できるようにしておくと、後々居室として使用する事も出来ます。

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クローゼット・収納室には布団収納のための押入れが有ります。
寝室に布団収納場所が無いためこちらを使用します。
寝室はベットのため、毎日布団を収納する必要はありません。
夏冬の入れ替えの時に寝具の出し入れするようになるので、寝室になくても近くにあれば大丈夫です。
また、気密断熱の良い家は急激な外気温の変化が室内ではそれほど影響が有りません。

押入れの建具をどうするか打合せしました。
建具を入れても湿気が溜まらないように開放しておいた方が良さそうなのと、クローゼット・収納室全体が収納のための部屋と考えれば、建具は無くても良いのではないかと言う事になりました。
また、建具を付けない事でその分のコストを他に回せます。

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入り口建具を開けると寝室までつながります。
寝室
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寝室は2階東側にあり、8畳の広さがあります。
天井は屋根勾配なりに杉板を張り上げています。
天井の高さは2.38m~3.03mあり、開放感のある寝室になっています。
全体の階高を下げるために、2階梁から小屋梁までは2.4mとしています。
2.4m梁高の場合床の厚さや梁成を考えると、梁下に天井を張ると2.1mの天井高さになってしまいます。
身長の高いご夫婦なので、なるべく天井を高くした方が気持ちが良いのではと、小屋組を現し勾配天井としました。

開口部は東側に腰窓、北側に高窓を付け通風を心がけました。
南側は居間吹き抜けに面した壁になります。
南の壁がベッドの頭方向になります。
吹抜けに面して開口部を設ける事も出来ましたが、建て主さんと打合せした所、寝室は静かに休みたいとの希望から居間空間とは壁で仕切る事にしました。

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寝室出入口です。
梁下に鴨居を直付けし引き戸を付けました。
梁成は1間に柱があるため4寸角でも間に合うのですが、1階が2間飛んでいるため梁の中間に荷重を掛けたく無かったためです。
屋根荷重はなるべく両脇の柱で負担し1階に伝え、2階床梁は床と間仕切り壁の荷重を負担するようにしました。

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片引き戸を開けるとホールを通じクローゼット・収納室へつながります。
2階ホール
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階段を上がると2階ホールに出ます。
広さは通路も兼ねて3畳ほどになります。
正面は居間吹き抜けに面し木製面格子が床から天井まで壁一面に入っています。
面格子の向こうには薪ストーブの煙突が見えます。

ここを面格子にしたのは、薪ストーブの暖気を2階へ回したいためと、南からの風を吹抜けを通して2階へ北窓から抜けるようにです。
冬季は面格子から2階へ上がり、階段を通して下がる暖気の流れが出来ます。

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吹抜け側から階段方向です。
正面高窓から空と遠方の山が見えます。
夏はこの窓が風の通り道になります。軒の出の深い高窓の下にあるため、開放していても雨の吹き込む心配はありません。

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2階の部屋を開放すると、ホールからの空気が流れます。
薪ストーブの時期は、寝る前に寝室の引き戸を開けておくと暖かい空気が寝室まで回ります。
春から秋にかけては寝室東の窓と収納室西の窓を開ければ東から西に風が流れます。
階段
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脱衣室入り口の引き戸を開けると直ぐ階段になります。
階段の位置は建て主さんの考え方と全体の間取り、2階の位置によって異なります。
居間空間に付ける場合もありますし、居間から見えない位置に付ける場合もあります。
「金山の家」の建て主さんは、奥さんのお友達が来ていてもご主人に負担が無いように、脱衣やトイレから直接2階へ上がれるような位置に階段を設けました。
訪れたお友達も御主人は見えないところでトイレや脱衣室から2階の寝室へと移動しているので、お互い気を遣わなくて済みます。

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階段を真直ぐ上がると2階になります。
階段の両脇が浴室と通路になっているため外壁に面していません。
暗くなりがちな階段と1階通路を明るくするために、階段上の窓から採光する事にしました。
階段上の窓は6尺幅の高窓が2つ並んでいます。
日中は階段からの明かりで1階通路も照明を付けなくても十分な明るさです。

平面だけ見ると暗い場所ではないかと思っても、明かりは壁や天井に反射して回るのであまり心配する事もないようです。