建築家と造る木の住まい
田村建築設計工房ブログ
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田村建築設計工房

Author:田村建築設計工房
群馬県渋川市の建築設計事務所です。自然素材を用い、想い出に残る家づくりを目指しています。
HP:http://www12.plala.or.jp/tam-kobo/

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断熱改修を終えて
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断熱気密工事をしっかりと行うと、小さな熱量(=光熱費の少ない)で家全体を冬は暖め・夏は涼しく快適に過ごすことができます。
床面積約40坪、平屋の家全体の主暖房は居間に暖房熱量7KWの深夜電気蓄熱型のストーブを置きました。
日差しのある日中は暖かな室内になるため、ファンを回さないで自然放熱だけで十分です。
日が暮れて外気温が下がっても弱運転で暖かい室内になります。
寒い日の朝でも室温があまり下がらず室温16~18度位は保っているようです。
冬の朝でも薄着で家事ができる室内になりました。

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冷房はルームエアコンを主居間と親世帯居間の2ヵ所に設置しました。
居間のエアコンは18畳用です。
全ての個室を仕切っても34畳の空間があります。
数字だけ見ても18畳の能力のエアコンで2倍近い面積を冷房すると考えると、涼しくならないのではないかと思われますが、気密断熱の良いつくりでは十分に涼しくなり、一旦室温が下がると弱運転にするかOFFにしても快適に過ごせるようです。
日中の太陽が高い時間は屋根が日差しを遮り、低くなる時間は庭の植栽が日差しを遮り、開口部からの熱の侵入を防いでくれます。
気密断熱だけではなく日差しを入れない工夫により、少ないエネルギーで快適な室内空間になります。

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親世帯居間にも暖房は深夜電気蓄熱型のストーブ、冷房はルームエアコンを設けました。
子世帯の室温感覚と親世帯の室温感覚は異なるため、個別に調整が出来るようにしました。

今日でリフォーム工事の報告を一旦終わりにしたいと思います。
新築工事に限らずリフォーム工事でも高断熱・高気密で作られた家は、少ないエネルギーで温度差の少ない室内空間が出来、快適に過ごすことができます。
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断熱改修
今回のリフォーム工事の一番大きな希望要望が寒くない家でした。
リフォーム前は断熱性能の低い種類のグラスウールが入っている場所と無い場所があり、断熱材の役目をしていない状態でした。
建設当時は、断熱という意識が低く施工場所や方法などよく理解できずに単に入れておけばよいのではと言うような考えだったと思われます。
全体に入っていれば良い方で、床から壁、天井へと連続して断熱するという考えはあまり無かったようでした。

リフォーム工事では家全体をすっぽりと断熱材でくるみ、さらに気密をしっかり取る方法で工事を進めました。

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床の断熱です。
床下地は土台を残して大引から新規にやり変えました。
大引間に厚さ45ミリのネオマフォームを落とし込み、継ぎ手には気密テープをしっかり貼ります。
設備配管や電気配線も断熱気密層を貫通するときは気密テープやコーキング処理を行います。

ネオマフォーム上に床構造合板張り、仕上げは無垢縁甲板張としました。

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壁は床と同じ厚さ45ミリのネオマフォームを外張りとしました。
既存の柱や土台が当時の手刻みの誤差や長年の木の乾燥により、ボード状の断熱材を張るためにパッキンで調整しながら断熱材張りを進めました。
断熱材の継ぎ手はすべて気密テープ貼りを行い気密を確保します。

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ネオマフォーム断熱材張り後はタイベックシルバーシートを張ります。
タイベックシルバーシートの継ぎ手も気密テープを貼り気密を確保します。
換気扇のダクトやエアコン配管のスリーブなどの断熱材を貫通する部分もしっかりと気密の施工を行います。

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天井の断熱材は既存の小屋組みを残すため、グラスウールの吹込みとしました。
天井下地の野縁を組んだ後に気密シートを張り上げます。
気密シートの継ぎ手や柱の貫通部は気密テープ処理を行います。
室内間仕切り壁は天井気密シートを優先し、シート張り後に施工します。
壁の外張り断熱と天井断熱は、桁を通して連続させるようにしました。

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竣工近くになり、断熱気密性能のある天井点検口からホースを入れ天井前面にグラスウールを吹き込みます。
グラスウール吹き込み後、所定の厚さになっているかどうかの確認です。

断熱気密の工事をしっかりすることにより、寒い時期でも少ないエネルギーで家全体の温度差が少なく暖かく保てます。
猛暑でも午前中は夜の冷気が室内に残り涼しく過ごせます。
暑くなり始めたらエアコンを入れれば、家の全体が涼しくなり快適に過ごせます。

新築でもリフォームでも高断熱材で家全体をすっぽりくるみ、気密を保つ工事をしっかりと施工すると、少ないエネルギーで一年を通して快適な住まいとなります。
また、温度差の非常に少ない室内はバリアフリーとなります。

耐震改修
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今回のリフォーム工事は主要な構造部と屋根を残して全てやり変える大規模な工事です。
解体工事では内外装材、下地材はすべて解体撤去しました。
新築工事で例えるなら建て方が終わり屋根が葺き上がった所です。

計画に入る前に建て主さんから玄関框部分でシロアリの被害があったと聞き、柱や土台が被害にあっている可能性が高いと思い、玄関部の柱と土台は交換する予定で設計を進めました。

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玄関の外壁を解体したところ、予想以上に雨水の侵入による腐れがありました。
リフォーム前の玄関外装は腰にタイル張り、上部は真壁で漆喰塗りでした。

柱が露出しているところは、濡れても乾燥するので傷みはありませんでしたが、腰壁のタイルを撤去するとタイルとしっくい壁の隙間からから侵入した雨水が内部にたまったものと思われます。
柱に直接ラス板を留め付けモルタル下地タイル張りを行い、仕上げが奇麗になるようにポーチ土間の御影石までタイルを伸ばしたため、余計に雨水の溜まるようになったと思われます。
壁を解体するとそのまま崩れそうなので、補強材を入れてから解体しました。

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土台に腐れやシロアリの被害にあったところは交換です。
新しい土台を入れて新しい柱を立てます。

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筋交いも全て新しく入れなおしました。
既存の筋交いは90*30で南面は少なく北面に多く入っていました。
新規の筋交いは105*45とし、バランスよく配置し筋交い数も増やしました。
筋交い数を増やすために、たすき掛けなどの高強度の耐力壁を作ってしまうと柱の引き抜き耐力に対応できなくなります。
片筋交いを全体にバランスよく配置することに心がけリフォームの計画を進めました。

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筋交い金物や柱引き抜き耐力金物は新しい基準の金物取付です。
柱を取り換えたところは、梁材のほぞ穴に入らないため後施工金物を取り付けてから柱を差し込みピンを打ち込みます。
土台は新規に取り換えた材ですが、梁が既存のため柱を入れる時は後施工金物を取り付けた後に横から差し込みピン留を行います。

新築の場合でしたら、土台を据え付けほぞ穴に柱を差し込み梁のほぞ穴に柱のほぞを差せばよいのですが、リフォーム場合順序が異なるため、単に差し込むだけでなく金物を取り付けて柱と土台や梁を接合させます。
建て主さんの希望から

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計画に入る前に建て主さんにリフォームの希望・要望を出して頂きます。
ご家族全員の希望が家族が顔を合わせやすく家族団らんの場所とありました。
リフォーム前は居間の掘りごたつに集まり、食事や団らんを楽しむ生活をリフォーム後も続けたいとの思いです。
リフォーム後も家族が集まる場所は家の中で一番景色が良く日当たりの良い場所に居間兼食堂を配置しました。
また、キッチンは対面式のアイランド型とし主婦が団らんを離れて一人で家事を行う事もなくなり、家族の顔が見える場所で家事が出来るようになりました。

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友人や親せき、お子さんの友達が来てにぎやかな雰囲気を大切にしたいと希望がありました。
リフォーム前は居間が11畳だったので、多くの友人が集まった時はお子さんたちの場所は別の部屋になっていたと思われます。
リフォーム後は居間と続きの洋間を含めて22畳と2倍の広さになりました。
また、8畳強のキッチンスペースを含めると30畳の広さになります。
多くの友人を招いても居間と洋間で間に合います。
また、キッチンがどちらからでも行けるので、集まった皆で作業をすることができます。

リフォーム後の現在は洋間にお子さんの机が並べてあります。
宿題や遊びなども家族のいつもいる場所で行えるので、親子とも安心感があります。

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もう一つの居間です。
2世帯の住まいのためお互いに友人が来たとき、気を使い別室に入る時や用事を作り外出する事があったと思われます。
また、気兼ねして招くのをためらう事もあったと思われます。
主居間の他に親世帯用のサブ的な居間があればお互い気を使わずに済みます。
また、両方の居間は玄関から別々に出入りが出来るので、顔を合わせなくても済み来客の方に気を使わせません。

お父様より趣味を味わえる生活がしたいと希望がありました。
道具をそのままにしておける場所があれば、気が向いた時にいつでも行えます。
独立した趣味の部屋を作るにはその他の部屋が犠牲になるので、サブの居間と兼用することにしました。
こちらであれば普段はそのままにしておけますし、少し片付ければ友人を招いて居間とすることもできます。



子供室2
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もう一つの子供室は幅1間、奥行き2間の4畳で、押し入れや収納は特にありません。
ベッドと机の他に年頃になると衣類が入ってきます。
衣類はハンガー掛け用のステンパイプを2本窓側につけました。
窓側はベッドの足元になるので、上部に衣類が下がっていても気になりません。

各子供室に衣類の収納を付けると、その他の部屋特に居間回りが狭くなります。
子供室で過ごす時間は寝ている時間を除くとそう多くは無いため、家族が集まる場所を優先させ最小限の広さとしています。

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この部屋の出入り口は引違の建具としました。
片引き戸でも可能だったのですが通路を挟んで納戸があるため、長い物を入れる時に子供室に一旦入れてから納戸に入れられるように引違戸としました。

各子供室は天井と腰壁に杉板張りとしました。
上部壁は漆喰塗りです。
家全体が高断熱高気密の作りなので、北側の部屋でも寒くありません。
また北側は光も穏やかで集中して学習したい時は良い環境です。