建築家と造る木の住まい
田村建築設計工房ブログ
プロフィール

田村建築設計工房

Author:田村建築設計工房
群馬県渋川市の建築設計事務所です。自然素材を用い、想い出に残る家づくりを目指しています。
HP:http://www12.plala.or.jp/tam-kobo/

リンク

このブログをリンクに追加する

検索フォーム

カテゴリ

月別アーカイブ

RSSリンクの表示

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

アクセスカウンター

ポーチ
1327999037.jpg

ポーチは約5畳の広さがあります。子供部屋くらいの広さが玄関前にある訳ですから広い感じを受けます。
ポーチが広いと雨の日の支度や車からの荷物の一時置き場などに便利ですし、室内まで入らなくても済むような玄関前の立ち話など半屋外的な用途に利用できます。
また、多数の来客時に玄関代わりとして靴の脱ぎ履きする場所としても使っています。
竣工時に完成見学会をさせていただいた時も、ここを玄関として使う事で多くの靴が並び十分玄関として対応できる場所となっています。

1327999066.jpg

ポーチには2つ引き戸がありますが、こちらが玄関引き戸になっています。
正面の窓は居間と続いたライブラリー兼お子さんの書斎コーナーとなっています。
この窓は取り付け高さと窓の大きさ、窓種類による開放状態など多くの図面で検討しました。
玄関前に人が立ったときに開放された窓に当らないか覗き込まれないかなど高さの検討、また風が集まるところなので室内に取り入れる開放方向、高いところに取り付けるため室内からの操作をどうするのかなど色々な方向から検討した窓です。




スポンサーサイト
アプローチ
1327912534.jpg

道路からのアプローチは駐車スペースと兼用です。
建て主さんからは常時車は一台駐車でき、来客時に詰めて2台駐車できるスペースを確保してほしいと希望がありました。
歩いて公共交通機関を利用できる街中に住む事や1台で間に合う、間に合わせるという建て主さんの割り切りが建物配置や間取り、庭のスペースの考え方となりました。
アプローチから見るとポーチ屋根は本体屋根から一段下がった下屋となっています。
屋根の高さ、正確には軒先の高さを決めるのに、屋根の重なりや玄関ドアの高さや窓の高さ、中庭に通じる通路や自転車置き場の梁高さなど検討しながら、手を伸ばせば届く位のなるべく低い位置に決めました。これはポーチを広く取り、入り口の門のような感じを持たせたかったからです。
門の屋根はなるべく低くした方が訪れる方に威圧感を与えませんし、周囲に対してもやさしい感じを与えます。
軒先の高さを決めるのにもう一つ検討しなければならない事がありました。車は常時一台ですが来客時に2台縦列駐車するために使用している1ボックスカーを軒の下まで入れる必要があります。軒樋から縦樋まで下がる樋の高さと取付け位置も検討し、問題ないことを確認して軒の高さを決めました。
軒先の綺麗さが出ているポーチになったと思います。

1327912544.jpg

ポーチ軒下からアプローチを見たところです。
道路と向こうに広い駐車場があり、視界を遮る物がない開放的な場所です。
毎朝通勤通学で家を出る時に、庭の木々から季節を感じると共に遠くの空が見える開放感を味合う事が出来ます。

各種メーター類
1327566942.jpg

建物が出来ると敷地外から色々な配管や配線と結ばれます。
電気・電話・水道・都市ガス等の引き込みが行われ、電話を除く3つは建物に入る前に検針用のメーターが付きます。
このメーターの取付け位置をどうするか、いつも悩むところです。
電気は直接建物に引き込むと工事費は安上がりに済みますが、東電柱が道路の反対側にあり引き込む住宅の屋根が低いと、直接引き込むには電線下の高さが確保できなく無理な場合があります。
また、電気容量が多い場合引込み線が太くなり建物に直接引き込みにくい場合もあります。

工事金は掛かりますが、引込柱を建てると直接引き込むより建物の傷みも少なくなります。
メーター取り付け位置は、一旦引込柱に受けそこから建物外壁にメーターを取り付ける場合と、工事金は上がりますがメーターボックスを引込柱につける場合があります。

南道路で道路から建物までが遠い場合、引込柱にメーターがあると検針員が敷地奥まで入らなくても良くなります。
工事金額の問題と検針員の方が敷地内にどこまで入ってよいのか両方を検討しながら、メーター取り付け位置を考えます。

まちの家では敷地南東隅にメーター類をまとめ、道路から電気・ガス・水道のメーター検針が出来るようにしました。

木工事 TV台 掘りコタツテーブル
1327679596.jpg

厨房造作工事が終わり室内では最後に居間造作に入りました。
室内で木工事の作業する広い場所が必要なため居間造作工事が最後になります。
積層板で作成したテレビ台と下の収納工事が終わりました。
今まで多くの材料が置かれていた場所が少しずつ居間らしくなっていきます。

1327679610.jpg

一段上がったタタミコーナーは掘りコタツ風テーブルになります。
テーブルの脚は木工事初期の床張り時に下地合板に固定して置きました。このテーブル脚の周りに椅子の代わりとしてタタミコーナーが作られます。

木工事はタタミコーナー造作を進めます。

地域の記憶を残す
1327566922.jpg

道路と敷地の境界は既存の玉石積みと大谷石の土留めをそのまま残しました。
建て主さんからの要望もあったのですが、年月を経て風化した大谷石と玉石の表情が住宅街になじみ風景を作っていましたので、なるべく既存のまま使用できるように計画が始まりました。
家は新しくなるのですが、地域にとっては街並みの風景がガラッと変わってしまうよりは、少しでも以前の景色が残っていると新しい物が違和感無く溶け込んでいきます。

大谷石は道路境界からは少し敷地側に入ったところにあり、道路との間に空間が出来ています。また、土留め用に低い位置にあるので、道行く人々に圧迫感を与えません。
自分の敷地ですから境界いっぱいに塀を作ってもなにも問題はないのですが、この少し後退し周囲に開いた感じが建て主さんの近隣と「つながる」思いを表しています。
ガーデニングをしている時に散歩している方々から声をかけられる事が多くなったと話されていました。



厨房造作工事
1327496812.jpg

木工事は厨房造作工事に入りました。
キッチン前カウンター工事が終わり、レンジフード前の棚工事を行っています。
システムキッチン取り付けは左官工事塗り壁とキッチン壁施工が終わってからになります。

1327496801.jpg

食器棚と階段下収納工事が終わりました。
左官塗り下地のボードが張られていないので見た目にはあまり進んでいないように感じますが、造作や収納工事が終わりボード張りになると一気に壁が仕上がります。
厨房造作工事が終わると居間に入ります。

上空から
1327413442.jpg

上空からの写真は造園工事中に建て主さんが高所作業車に乗って写したものです。

上から見ると南棟と北棟の屋根の大きさと、間に挟まれた中庭上部が開いているのが分かります。
東隣の物干し場が以前と同じように日当たりを確保している様子や、反対に物干し場からは屋根が見え中庭や開口部がほとんど見えないのも分かります。
屋根は西隣の一緒に新築した家と同じように周辺の屋根の色に合い、伝統的街並みにとけ込んでいます。

2つの棟をつなぐ屋根は、片流れ屋根の南棟の高さと北棟の軒先の高さの間に入れ、軒下にもぐって屋根や壁の施工が出来る寸法を確保しなければなりません。
この場所も断面にて高さや屋根勾配を検討する時に悩んだところです。


外観
1327323688.jpg

正面の外観です。
植栽の間から板壁や塗り壁が少し見え、建て主さんの地域になじむ気持ちと一緒に威圧感のない周辺に溶け込んだ外観となりました。
北棟になるべく光を取り入れるため、断面や梁組みを検討し窓の高さや天井の高さ、軒の出と軒先の高さと四季の日差しの関係、屋根の重なる箇所の施工可能な高さ、ポーチ軒先と車の高さなど色々な要素を検討し南棟の屋根の高さを決めました。
一般的な木造平屋住宅の屋根高さより低めに屋根を掛ける事が出来、北棟に冬の日が入ると共に低く下げた軒先のラインが綺麗な外観となりました。

1327323705.jpg

アプローチ側からです。
のこぎり屋根をモチーフにした屋根の形が見えます。
ポーチ軒先は色々な箇所の断面検討して決めた高さです。
数奇屋住宅の門や入り口軒先の高さなど、和風の住宅が落ち着いて綺麗に見える高さとほぼ同じになっています。

1327323721.jpg

完成直後の夕景です。
障子から漏れる暖かな光が庭をやさしく照らし、道行く人々がほっとするような外観となっています。
また、暗い中を帰宅する時に暖かい光が心も温めてくれるような気がします。



木工事・玄関
1327155077.jpg

木工事は和室が終わり玄関に入りました。
玄関は小さい部屋ながら、作り付けの下足入れとコート収納など造作工事が多く有ります。
また、他の部屋と違って段差が有り床の仕上げも異なり、段差と下足収納の関係や段差の仕上げ見切りなど細かい所に気を使うところでもあります。
玄関造作工事が終わると厨房収納棚に入ります。

1327155091.jpg

和室は造作工事が終わり建て主さんの蜜蝋ワックス塗りに入りました。
大工さんが各部屋の造作工事が終わると、珪藻土塗り下地のボード張りに入ります。
ボード張り前に木部蜜蝋塗りを行うとボード張り時に石膏の粉も付きますが、ボード養生をしなくて済み気を使わなく塗れます。

周辺環境と外観
1327076278.jpg

古くから続く住宅地に2軒並んで、正確には道路から奥に1軒建ちましたので3軒ほとんど同時期に新築の家が建ちました。
新しい家が数軒一緒に建つと地域の環境がガラッと変わってしまうことが多いですが、お隣の方も古い街並みが好きでこの土地を購入され地域になじむような形で家づくりをされたと思われます。
道路沿いの2軒が板壁の外壁を用い、塗り壁も同じような色使いで地域になじませる外観をしています。
同時期に建てたので、散歩する方が別棟の2世帯住宅を建てたようだと勘違いされて話しているのを聞いたそうです。
1軒1軒が両隣の事を少しずつ考え、周辺の環境に少し合わせる工夫をすると家並みが綺麗になり、そして良い環境の街並みになります。

1327076298.jpg

メイン道路の繁華街から近い場所で広い前面道路に面していますが、良好な環境の住宅地を形成しています。

周辺環境の2枚の写真はぐんまの家設計建設コンクール応募用に建て主さんに写していただいた写真です。