建築家と造る木の住まい
田村建築設計工房ブログ
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田村建築設計工房

Author:田村建築設計工房
群馬県渋川市の建築設計事務所です。自然素材を用い、想い出に残る家づくりを目指しています。
HP:http://www12.plala.or.jp/tam-kobo/

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耐震改修
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今回のリフォーム工事は主要な構造部と屋根を残して全てやり変える大規模な工事です。
解体工事では内外装材、下地材はすべて解体撤去しました。
新築工事で例えるなら建て方が終わり屋根が葺き上がった所です。

計画に入る前に建て主さんから玄関框部分でシロアリの被害があったと聞き、柱や土台が被害にあっている可能性が高いと思い、玄関部の柱と土台は交換する予定で設計を進めました。

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玄関の外壁を解体したところ、予想以上に雨水の侵入による腐れがありました。
リフォーム前の玄関外装は腰にタイル張り、上部は真壁で漆喰塗りでした。

柱が露出しているところは、濡れても乾燥するので傷みはありませんでしたが、腰壁のタイルを撤去するとタイルとしっくい壁の隙間からから侵入した雨水が内部にたまったものと思われます。
柱に直接ラス板を留め付けモルタル下地タイル張りを行い、仕上げが奇麗になるようにポーチ土間の御影石までタイルを伸ばしたため、余計に雨水の溜まるようになったと思われます。
壁を解体するとそのまま崩れそうなので、補強材を入れてから解体しました。

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土台に腐れやシロアリの被害にあったところは交換です。
新しい土台を入れて新しい柱を立てます。

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筋交いも全て新しく入れなおしました。
既存の筋交いは90*30で南面は少なく北面に多く入っていました。
新規の筋交いは105*45とし、バランスよく配置し筋交い数も増やしました。
筋交い数を増やすために、たすき掛けなどの高強度の耐力壁を作ってしまうと柱の引き抜き耐力に対応できなくなります。
片筋交いを全体にバランスよく配置することに心がけリフォームの計画を進めました。

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筋交い金物や柱引き抜き耐力金物は新しい基準の金物取付です。
柱を取り換えたところは、梁材のほぞ穴に入らないため後施工金物を取り付けてから柱を差し込みピンを打ち込みます。
土台は新規に取り換えた材ですが、梁が既存のため柱を入れる時は後施工金物を取り付けた後に横から差し込みピン留を行います。

新築の場合でしたら、土台を据え付けほぞ穴に柱を差し込み梁のほぞ穴に柱のほぞを差せばよいのですが、リフォーム場合順序が異なるため、単に差し込むだけでなく金物を取り付けて柱と土台や梁を接合させます。
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建て主さんの希望から

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計画に入る前に建て主さんにリフォームの希望・要望を出して頂きます。
ご家族全員の希望が家族が顔を合わせやすく家族団らんの場所とありました。
リフォーム前は居間の掘りごたつに集まり、食事や団らんを楽しむ生活をリフォーム後も続けたいとの思いです。
リフォーム後も家族が集まる場所は家の中で一番景色が良く日当たりの良い場所に居間兼食堂を配置しました。
また、キッチンは対面式のアイランド型とし主婦が団らんを離れて一人で家事を行う事もなくなり、家族の顔が見える場所で家事が出来るようになりました。

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友人や親せき、お子さんの友達が来てにぎやかな雰囲気を大切にしたいと希望がありました。
リフォーム前は居間が11畳だったので、多くの友人が集まった時はお子さんたちの場所は別の部屋になっていたと思われます。
リフォーム後は居間と続きの洋間を含めて22畳と2倍の広さになりました。
また、8畳強のキッチンスペースを含めると30畳の広さになります。
多くの友人を招いても居間と洋間で間に合います。
また、キッチンがどちらからでも行けるので、集まった皆で作業をすることができます。

リフォーム後の現在は洋間にお子さんの机が並べてあります。
宿題や遊びなども家族のいつもいる場所で行えるので、親子とも安心感があります。

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もう一つの居間です。
2世帯の住まいのためお互いに友人が来たとき、気を使い別室に入る時や用事を作り外出する事があったと思われます。
また、気兼ねして招くのをためらう事もあったと思われます。
主居間の他に親世帯用のサブ的な居間があればお互い気を使わずに済みます。
また、両方の居間は玄関から別々に出入りが出来るので、顔を合わせなくても済み来客の方に気を使わせません。

お父様より趣味を味わえる生活がしたいと希望がありました。
道具をそのままにしておける場所があれば、気が向いた時にいつでも行えます。
独立した趣味の部屋を作るにはその他の部屋が犠牲になるので、サブの居間と兼用することにしました。
こちらであれば普段はそのままにしておけますし、少し片付ければ友人を招いて居間とすることもできます。



子供室2
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もう一つの子供室は幅1間、奥行き2間の4畳で、押し入れや収納は特にありません。
ベッドと机の他に年頃になると衣類が入ってきます。
衣類はハンガー掛け用のステンパイプを2本窓側につけました。
窓側はベッドの足元になるので、上部に衣類が下がっていても気になりません。

各子供室に衣類の収納を付けると、その他の部屋特に居間回りが狭くなります。
子供室で過ごす時間は寝ている時間を除くとそう多くは無いため、家族が集まる場所を優先させ最小限の広さとしています。

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この部屋の出入り口は引違の建具としました。
片引き戸でも可能だったのですが通路を挟んで納戸があるため、長い物を入れる時に子供室に一旦入れてから納戸に入れられるように引違戸としました。

各子供室は天井と腰壁に杉板張りとしました。
上部壁は漆喰塗りです。
家全体が高断熱高気密の作りなので、北側の部屋でも寒くありません。
また北側は光も穏やかで集中して学習したい時は良い環境です。
子供室
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子供室は個室が二つ、現在は居間の延長として使用している洋間を2つに仕切り子供室すると、計4つの子供室が出来ます。
リフォーム計画はお子さんたちが個室がほしくなる年齢になってき、それまでの和室での対応では無理になってきたからです。

4つの子供室を希望されましたが、最初から4室全てを個室にした場合、下のお子さんはまだ小さいため暫くは子供室の使い方ではなくおもちゃ置き場か収納室になる恐れがあります。
そこで、2つの個室と将来仕切れる居間の延長としての洋間を提案しました。
現在、居間の延長としての洋間にはお子さんの机が並び兄弟で学習したり遊んだりする場所になっています。

個室へは集中して学習したい時期になったら、洋間から机を移動し子供室としてベッドと机が並びます。

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子供室は4畳と4畳半の広さです。
両方とも同じ幅ですが、一つはリフォーム前の厨房の場所半分が子供室になったので半畳ほど広くなっています。
4畳あればベッドと学習机と本棚が十分入ります。余分物が入らない分集中できる場所になると思います。

お友達などが来て広い場所が必要な場合は、居間や洋間などで対応できます。
またその方が目に届きやすく安心かもしれません。


クローゼット
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寝室の隣に布団収納を兼ねたクローゼットを設けました。
広さは4.7畳弱あります。リフォーム前は厨房だった所を半分に仕切り寝室側を収納にしました。
寝室から入ると左側に衣類掛け用のステンパイプ、右側はたたむ収納用に可動棚を設けました。
棚の上部は衣装ケースを置けるように開けてあります。

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クローゼット奥から入口方向です。
正面に家族全員用の布団棚を設けました。
各個室には布団収納用の押し入れが無いため1ヵ所にまとめました。

以前の住まいは毎日布団をたたんで収納する前提で各和室に押し入れが付いていました。
リフォーム後はベッドになるため寝具は夏冬の入れ替えのための収納場所があれば良いことになります。
年2~回程度の入れ替えのための収納であれば、各室に無くてもよいので1ヵ所にまとめても問題ありません。

また、リフォーム前は寒い室内のため布団の枚数が必要でしたが、リフォーム後の暖かい室内では極端に減ります。
掛け布団や毛布の枚数が減るため、家族全員の寝具収納が以前の押し入れ1ヵ所の広さで間に合います。


子世帯寝室
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子世帯寝室は6畳の広さです。
東と北に腰窓があり通風や明るさは申し分ありません。
窓からの景色も敷地が広いため、敷地内の竹林が遠方に見え周りからの視線も気になりません。

6畳にベッドを入れるため、ベッドボードのないマットレスだけのベッドを購入してもらうようにしました。
そのためベッドボード代わりの杉板を腰壁に回しています。
コンセントやスイッチ位置などもベッドを置いた位置から設置場所や高さを決めています。

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リフォーム前は厨房から出入りする和室6畳でした。
東に掃き出し窓、北に腰窓があり床面積に比べ窓面積が多い部屋でした。
単板ガラスのため冷気の侵入で寒い部屋だったと思われ北窓は雨戸が閉められている状態でした。
また、断熱性能が悪く結露によるカビのしみが多くみられました。

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リフォーム後は家全体を高断熱高気密で囲ったので、北側の部屋でもあまり温度差が無く過ごせます。
開口部の断熱性能も上げているので、結露の心配もほとんどありません。

寝室入り口側です。右の開口部はクローゼットへつながります。
クローゼットの仕切りは寝室内からの出入りのため、ほとんど閉める事はないだろうと建具を付けませんでした。
常時開放していることで空気が回り湿気が溜まるのを防ぎます。

納戸(収納室)
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主居間と親世帯居間の間に納戸を設けました。
面積は2.1畳ほどですが奥行き2.3mの両側に収納棚を設けたので、大容量の収納室になっています。

リフォーム前は各和室に押し入れと天袋がありましたが、奥行きが3尺のため収納しづらく効果的な収納ではありませんでした。
天袋に至っては、入れたらそのままになっているものがほとんどでした。

収納の部屋は大きさではなく、壁の長さによって収納量が決まります。
収納する物も奥行きが深いものは少なく、一列に並べた方が常時目に触れるのでしまい忘れが無くなります。
ここでは奥行き30センチの可動棚を両壁面に設けたので、使い勝手の良い収納室が出来ました。

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納戸の位置は以前の玄関前通路だった所です。
6.5畳あった玄関前通路の一部2.1畳分を納戸にすることにより、使いやすい収納室になりました。
場所も家の中心にありどこからも使いやすく、また主居間と親世帯居間の間にあるので音の問題も少なくなると思います。

トイレ
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平屋ですがトイレは2ヵ所設けました。
一つは居間から近く北西側水回りの一角に、もう一つは東の寝室の近くです。
トイレ前を右に進むと親世帯寝室、左は子世帯寝室があり左手前には子供室が並びます。
家族が多いので2か所のトイレは便利ですし、親世帯寝室の隣にトイレがあると安心です。

リフォーム前は南西の角にトイレがあったので、一番遠い室からは厨房を通り通路を玄関前まで進み、広縁を西まで片道約20mを歩きます。
冬季の夜間は暗く寒い場所を長く歩くため大変不便でした。
リフォーム後は寝室や子供室から近く、また通路も暖かいので真冬でも快適です。

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トイレ内は腰壁に杉板張り、上部壁は漆喰塗り、天井は杉板張りとしました。
便器前には立ち上がり用に縦手摺を設けました。

トイレ位置はリフォーム前は押し入れだった所です。
入口側幅3尺の両側柱は主要な梁を受けているためそのまま使用することにしました。
入口建具は柱間に開き戸にすれば簡単ですが、なるべく引き戸にするために引き戸位置を柱内側にずらしました。
建具位置をずらした事により、引込側の収納壁位置の移動等図面の段階で納まり詳細を検討し片引き戸になりました。
新築であれば柱の位置は自由にでき片引き戸も簡単ですが、リフォーム場合既存柱の位置により柱の内側か外側に持ち出して建具を入れる納まり詳細を検討しなければなりません。
親世帯寝室
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親世帯寝室から隣の居間は3本引き戸を開けると一体に使えます。
左の入口を開けると玄関につながり、その向こうには主居間が見えます。
玄関へは主居間を通らなくても行き来が出来るので、お互い気を使わなくて済みます。

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リフォーム前の同じ方向です。
リフォーム後はふすま手前が寝室になり、掘りごたつのあった居間が親世帯居間になりました。
玄関正面の通路は収納になり、奥の和室2間続きは主居間と厨房になりました。
リフォーム前は東の和室から通路を挟んで西の2間続きの和室床の間までつながっていました。
通路部分に収納を配置することにより、居間厨房と親世帯居間・寝室との距離が出来、感覚的にプライバシーが保てるようになりました。

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寝室北側は寝具と洋服の収納です。
収納の奥にはトイレがあり、親世帯寝室出ると直ぐにトイレになります。

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建具を閉めると落ち着いた寝室になります。

親世帯寝室
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リフォーム後、親世帯寝室になったのは既存居間の隣にあった和室6.75畳です。
居間とは4本引違の戸襖で仕切られ、子供室として使用されていました。
南に掃き出し窓、東側に出窓の腰窓がありました。

リフォーム計画は玄関から東側に寝室や子供室などの個室、西側に居間厨房と水回りの部屋をゾーニングしました。
それから、東西に伸びる通路から南の日が入りやすい場所に居間と厨房、南東側に親世帯居間と寝室を配置、北側には水回りの部屋と子供室、北東に子世帯寝室を配置しました。

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親世帯寝室は南東の角、開口部も南と東にあり明るい場所です。
リフォーム前と開口部の位置は変えずに高さを変えました。
居間との3本引き戸を開放すると開放感のある寝室になります。
寝室隣の居間は将来介護するようなことになった場合、広い場所があると何かと便利です。

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引き戸を閉めると6.75畳の落ち着いた寝室になります。
掃き出し窓から見える庭はベッドに寝ながら季節を感じ楽しませてくれます。